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ざっくばらん手記「ばんびじゃーなる」

いくら重ねてもかさばらないものって、なあんだ

昔から躊躇わずに電車内などで席を譲る方だと自分では思っているが、譲ってもらったのは初めてだった。
今日のことは、初めておじいさんに席を譲ってドッキドキしてそわそわして汗かいた日のこと以上に、忘れられないと思う。

今日は、月に一回の8時スタートの会議に合わせて7時半過ぎに出勤する日。
普段通勤の電車ではほぼ座れるけれど、時間帯を繰り上げるといつも通学時間とぶつかってなかなか座れない。
今日もそうだった。
体が密着し合うような混み具合ではないのでゆったりと立っていると、後ろから誰かに肩をトントンとされた。
自分と同じぐらいの年代の女性に「どうぞ」というモーションをされる。

わ…!
びっっっくりした。本当にびっくりした。
ありがとうございます、と声に出して礼を言い、有難く座らせてもらった。
どきどきした。
その女性は、白いトップスにカーキのパンツ、足元は黒いパンプスだったと思う。
フラットパンプスじゃない、パッと見で5~7センチくらいのヒール。
確かに、たしかにマタニティマークがリュックに付いてるけど、ゆったりワンピにスニーカーで楽ちんスタイルな私が譲ってもらってしまった。
うれしいけど、何とも言えないきもち。
座ってから、仲間内でやっている三国志のゲームアプリを操作しようと思ったけど、申し訳なくてやめた。
どういう顔をして座っていたらいいのかわからなくて、じっと目を瞑っていることにした。

彼女は、私と同じ駅で降りた。
商業施設もまだ開いていないような時間に同じ駅で降りる=ほぼほぼ同じ会社勤めだと思われる。
本当にありがとうございます。と、先を歩いていった彼女の背中に向かって、心の中でもう一度言った。

マタニティマークをバッグにつけるようになり、普通に荷物を前に抱えて座っているだけなのにマークを見せびらかしてしまっているような気持ちになったり。
何となく気まずくて、見えないように隠してみたり。
その全く逆で、気持ち悪いなぁという時に限って、えーと…本当に必要としてますか?という人に遭遇してしまって、(性根が悪いと言われそうだけど)ペカーッとマークをかざしたくなったり。
そんな中での今日の出来事。忘れない。忘れられるわけない。
初めていわゆる譲ってもらう側(←この言い方も語弊がある感じだけど、置いとく)に自分がなって、いろんな気持ちがごちゃまぜだ。

どう結んでいいのかわからないけれど、ひとり言として書いた。
妊娠してからのほうがいろんなことに気付き、気付かされている。
毎日が学び。

彼女からもらった優しさ、すーっとわたしに沁み込んでいった優しさを、いつかまた誰かに返したいよ。