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ざっくばらん手記「ばんびじゃーなる」

ドレスがなくてもお嫁さんになれる

結婚はしたくても、結婚“式”の願望はなかった。えー、やらなくていいよー。くらいの感じ。

お姫様願望も、ウェディングドレス願望もない。昔から。今も。

すでに準備を始めている今でも、やっぱりなしにしようということに万が一なってもあまりメンタルに打撃はない。ほんとうに。

中には憧れの式場での結婚式を目標に、しかも人気な式場だと数年後の日付になってしまうこともあれどそこ(もちろん大安でしょうね)を予約する方もいらっしゃるらしい。

す、すごいエネルギー。

わたしなんて大安だろうが何だろうが気にしないし、それよりやるとしたら(自分の中で今更感が生まれるだろうから)入籍から間をあけたくない派。思うところはそのくらい。

 

ところがびっくり、婚約者は違った。

え?しようよ、しないとだめじゃない?

え?なんでしないとだめなの?

根本で意見が食い違った。たぶん私たちの間では割とめずらしい。

 

彼はずっと同じ会社に勤め、二度の転勤を経て東京に来ている。それぞれの拠点に元上司や先輩たちがいるのだ。職場関係の人たちだけで40、50人になるという。

対してわたしはそもそも職場の人とあまり深く関わるのは苦手だなぁと思うタイプで、正社員じゃなかったこともあり割と一線を引いていた。だから、呼べる人が職場にはいなかったし、呼びたいと思う人もいなかった。

あなたが職場の人を呼ぶなら、やりたくない。拒絶に近いネガティブなリアクション。

わたしの反応を見て、彼は難色を示さなかった。呼ぶのはやめようとすんなり。

じゃあ親族だけにしようか。

うーん。親族だけでわざわざ結婚式ってやる意味ある…?

確かに規模が小さいのがいいとは言ったけど、逆に親族だけになるんだったらむしろやらなくてもいいんじゃないかというのがわたしの見方だった。

彼は反対する。

親族だけでもやった方がいい。やらないとだめだと思う。わたしの両親に対してのけじめだし、自分の両親もやった方がいいって言うだろう。自分だってそのセレモニーをしたい。

わたしの両親に対してのけじめのために“やらないとだめ”??そんなのわたしの両親は気にしないと思うけど…。

結婚式には膨大なお金が掛かることも知っているし、親族だけのイベントにそこまでお金をつぎ込むことにもあまり意味を見出せなかった。

しかも“セレモニー”って。そんなのやらなくたってわたしのこと好きでしょ?

まぁ確かに、向こうのご両親がやった方がいいそうなのは何となく予想できるけど…。(この時まだご挨拶前なのでお会いしたことなかったけど、すでに気付いていた、すこーし世間体を気にする方々なのである)

でも、親族だけのために何十万も掛けてドレス借りる意味ある??かな???

 

話はその場ですぐまとまらなかった。わたしが結構なパワーで突っぱねたから。

なんなら、ちょっとケンカっぽくなった。初めて。

向こうが折れないことが大変新鮮だった。

絶対にやるって言うのよ。結婚式を。

そんなにしたいの?結婚式。かっこわらい。と、ちょっとおかしくなっちゃうくらい。

 

日を跨いで、改めて話し合う。本当にどうしようねー、と。

結果、自分たちが見せ物になっていると感じない規模にしようと相談し、定めた数字が30人。

その数字だったら。その数字だったらね。

こうして本格的に“結婚式”に向けて歩き出した。

 

後日、母に「結婚式やるかやらないかで揉めたんだよねー」と話したら、「きっとあなたのドレス姿を見たかったんじゃないの?」

なにそれ!そんなことあるかいな!

(いや、ちょっとありそう、うちの人わたしのこと本当に好きでいてくれているの)