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ざっくばらん手記「ばんびじゃーなる」

困ったときは、そっちから音がする

わたしと婚約者のこれまでの足跡はあまり一般的ではないと思う。

結果としていろんな点がきちんと結ばれていったけれど、アップダウンがないわけではなかった。

 

付き合い初めのころから彼のお母さん(お義母さま、は字面硬いからやめる)が割と我々に対して反対していた(付き合いの浅い段階で同棲の話が出て、すごく驚いてしまったようだった)こともあり、そもそもが「結婚できるように頑張ろう」というスタンスだった。

そのスタンスに立てた、立とうと思えたのは、彼が「強く結婚したいと思っている。今はまだ自分の両親から了承が得られていないが、少しずつ結婚に向けて頑張っていきたいと思っている」とわたしにも私の両親にも直接言ってくれたから。

普段はなよなよ系男子なのに、大事なことはときどききちんと口にするタイプ。なんていい男なの。

 

2017年はその彼の言葉から始まり、彼のご家族に“わたし”を知ってもらおうキャンペーンの一年だった。

お仕事で大阪にいらっしゃるお兄さんとは会えずだったが、妹さんは二度東京へ遊びに来た。

当時勤めていた会社の製品や近所の人気店の洋菓子などを手土産として持って帰ってもらい、もちろん婚約者本人がお盆に福岡へ帰った時もお土産をたくさん持っていってもらった。

お返しに茅乃舎のおだしをいただいたり、彼がお父さんから一緒に飲んだらと日本酒の小瓶をいただいてきたり、一歩ずつ一歩ずつ存在を認識してもらえていくのが(せっかちだから)歯がゆくもあり、でももちろん嬉しかった。

 

繰り返すが、わたしはせっかち。

過去のお付き合いのこともあり、彼の冒頭の宣言もあり、あまりだらだらと付き合うつもりはなかった。

季節に一回すら帰らない自分の家に家賃を払っていることも正直さっさと止めたかった。

それも含め、12月で付き合いが一年になるけど、何かがどうかなるんだろうか、と秋の頭くらいから一人悶々としていた。(お願いそれが過食に拍車を掛けたんじゃないかって言わないで)

 

ある時、珍しく西小山でふらっと飲むことになった。店先(外)のテーブル席を選んで、周りには誰もいない。

ほほー!絶好のチャンス!

わたしは居ても立っても居られず、二杯目あたりで切り出した。「今後のことって、どのくらい考えてる?」

すると全く予想してない答えが返ってきた。

そろそろ一年になるし、両親に紹介したいと思ってる。年末くらいに一緒に帰って。で、来年仕事の山が越えた夏くらいには入籍したいね。

(゜o゜)

え?なによー!ちゃんと考えてくれてたの!?早く言ってよ!と思った。

そろそろ話そうかなと思っていたけど、なかなか言い出すきっかけがつかめなかったらしい。

それが結婚したい云々を早々に宣言した男の言うことか。と思った。

まずは、そう考えてくれていたことにありがとう。

それから、自分の家の更新時期やこれからあんまりだらだらしたくないこと、わたしの両親もそう思っていることをなるべく優しく伝え(ようと努め)た。

たまたま外の席になったことで周囲を気にせずいろんな話ができて、少し道筋が見えてきたように感じた。

 

似たようなタイミングで父から「年末年始あたりに家族食事会を企画しようと思うが、彼も呼んだらどうだ」と連絡がきていた。

我が家は普段から外食する家ではなく、何かあると外食をするという家庭だった。例えば誰かのお誕生日とか就職祝いとか、卒業とか年末とか季節の節目なんかに。

その家族食事会に彼を呼んでもいいというのは、父自身も彼のことをきちんと考えていますよという意思表示だったんだと思う。

「ぜひ。でも実は向こうのお家へのご挨拶のお話が出ているから、それ次第で時期を考慮してもらえると有難いです」と返事をしておき、一旦様子を見ることに。

 

彼は彼で私を連れてのご挨拶の話をご両親にしてくれた。

はるばる福岡まで来てもらうのは申し訳ないから、12月末に大阪である予定の親戚の一回忌の集まりに重ねようというご提案をいただき。

るんるんと自分の両親に進捗を報告したが、その食事会が我々がすでにバレーの大会の予定が入っていた12月の頭に繰り上がってしまい結局おじゃんに。おおおー、凹むー。

母にその旨メールで報告を入れたら、大きな行事になるはずだっただけにその分がっかりしたでしょう、みたいな返信がきて泣けた。

 

じゃあいつにするかというのを、年末に帰った時に直接両親を相談してくると彼は言う。

えーと。相談するタイミングをわざわざ年末の帰省まで待つの?なんで?

年末を逃すとじゃあ次はお盆?わたし(当時は)外資に勤めてるからお盆休みとかないんですけど?

とまた悶々。むー。

それをいい方向に導いてくれたのは、たまたま入った父の福岡出張だった。3月中旬に学会出席のために福岡へ出向くという。

まだ現役で働いている父は、前月の下旬にならないと翌月の週末の予定がわからない。

なのにたまたまその週末には福岡入りすることがすでに決まっている!なんと!これを使う手はない!

 

これまた同じ頃、彼に福岡の友人から結婚式の招待が。

2月下旬のお式、佐賀で。佐賀で?それってわたしも一緒に行ったらだめ?

3月の父の出張×両家顔合わせ、の前に2月に友人の結婚式×彼のご両親へのご挨拶、の前に年始にわたしの家族の食事会×わたしの両親へ改めて挨拶。

これが実現するとしたらナニコレちょー効率的でわたしが小躍りして喜ぶやつ!このテトリス感、すき!

早速こういう流れはどうだろうと話を持ち掛け、彼もそれがいいねと。

両親には結婚前の正式な挨拶という形になる可能性があるから、食事会は年始に、かつ妹と弟はなしで両親とわたし達の4人だけがいいとお願いした。

彼には事前にこういう話が出ているとご両親の耳に入れておいてもらい、年末に帰省時はこの案をしっかり了承してもらうように話をしてくる、ということで落ち着いた。

 

運命なんて感じたことないし、信じていないけれど、 この年末というタイミングや諸々がわたし達を導いてくれているように感じてしまってならなかった。